説明
イブ・ボワイエ・マルトノはムルソーの3大プルミエ・クリュ(ペリエール、シャルム、ジュヌヴリエール)を全て持つ優れた造り手です。
ロバート・パーカーも触れていますが、1990年代までのブルゴーニュではドメーヌに専用のボトリング設備を持つような余裕のある所は少なく、代わりにボトリング機械を積み込んだ専用トラックを呼んで瓶詰めする造り手が多かったようです。ボトリングトラックではワインが空気に触れ、ポンピングの課程でワインは傷み、濾過も当然のように行われていました。
しかしマルトノの素晴らしさに気づいていたアメリカのノース・バークレイ・インポーツ社はドメーヌを援助して、ノンフィルターで自分たち用に特別なキュヴェを造らせました。今回紹介するワインもノース・バークレイ・インポーツのボトルです。なお当時から日本に輸入されていたボトルはやはりこのノース・バークレイ・インポーツ用のワインでした。
パーカーのコメント(89点) ここのワインは私は長年フォローしてきたが、バレルから飲んだ時は素晴らしいのに、ボトリングされるとだらけたワインになってしまい失望することが多い造り手の一つだった。これはブルゴーニュではよくある体験で、規模が小さく、自分でボトリングできるほどの資金的な余裕がない造り手が多いため、彼らはボトリング専用のトラックをセラー脇まで呼んでボトリングさせるのだ。するとワインは空気に触れ、ポンピング中に痛み、濾過されてボトリングされるのが通常なのだ。 ノース・バークレイ・インポーツ社ではここのワイナリーは素晴らしい畑を持つことを確信し、自分らのキュヴェ用にバレルで熟成させ、無濾過でボトリングさせた。そうやって造られたワインと普通のキュヴェではノン・フィルターの違いが際立っている」 |
イブ・ボワイエ・マルトノ
ワイナート誌10号のムルソー特集の巻頭カラーで取り上げられた造り手。「堅牢さ、繊細さ、豊満さという特長を生かしつつ、おおらかにフルーティでわかりやすい美味しさのワインを造る」と評しています。ノース・バークレイ・インポーツのボトルの件にも触れており、「清澄も濾過もしないため、より厚みとコクが感じられ、上質なカリフォルニアのシャルドネを連想させる」と論じています。
ラベル、キャップ、液面(コルク下1.0センチ)の状態は良好です。