説明
パーカーはその著書「厳正評価 世界のワイン」の中で、このジャック・カシューがエシェゾー屈指の作り手であり、もっと注目されてしかるべきだと、しつこいくらいに強調しています。特に1990年を含む一連のヴィンテージは「輝くばかりのワインを生産している」と最大級の賛辞を贈っています。
ジャック・カシュー (ロバート・パーカー著 「厳正評価 世界のワイン」から) 「コート・ドール自慢のブドウ畑を平地と分ける幹線道路(国道74号線)に面したドメーヌ・ジャック・カシューは、高品質のワインを生み出しているが、アメリカではまだあまり知られていない、数少ないブルゴーニュのブドウ園のひとつである。カシューはもの静かな男で、プルミエ・クリュとグラン・クリュに100%の新樽を使用しているが、かつては村名アペラシオンにもオーク樽を用いていた。清澄処理と濾過処理は、1987年にやめている。 このドメーヌが、なぜ、もっとブルゴーニュの愛好家の関心を呼ばないのか、私には理解できない。読者は、こうした手頃な価格のおいしいワインを探す努力をするよう、アドバイスを受げているのに。 ジャック・カシューは、親切で、もの静かで、控えめな男だが、公的には1993年に引退し、このドメーヌの管理を40歳になる息子のパスカルに引き継いだ。この父親は本当に無口で、パスカル・カシューは、1995年ものに対して責任を負っているにもかかわらず、私が1997年にこのドメーヌを訪ねて1995年のワインを試飲したことを知らなかったくらいだ。 過小評価されているヴォーヌ・ロマネのこのドメーヌのワインは、大ざっぱに試飲してみても、豊かで、エレガントで、思わず引き込まれるような香りを放つ、すばらしいブルゴーニュ・ワインである。その上、カシューがつくったワインは、12~15年間はうまく熟成が進む。カシューは、1992年、1990年、1989年、1987年、1985年に、輝くばかりのワインを生産している」 |
ジャック・カシュー
現在はジャックの息子、40代のパトリスがドメーヌを運営します。広さは5ヘクタール弱(最近オート・コート・ド・ニュイが加わりました)と、著名なドメーヌに較べると小さめの地所ですが、生み出すワインは色濃く、ピノの風味があふれる口当たりのよいものです。
数量が少ないため、探しだすのは容易ではない上に、大半が個人顧客とヨーロッパ(ことにスイス、オランダ、ベルギー)に買われてしまい、大陸の外に出るものがほとんどありません。
ヴォーヌ=ロマネを中心とする赤は古風な造りをし、芳醇かつ濃密で力強いものです。エシェゾーの0.5haは1934年と45年植付けの老木からなり、10年から12年は保ち、ひたむきなブルゴーニュ愛飲家ならどうしても捜し出してみたいものです。
高い比率で新樽をあてがい(グラン・クリュ、プルミエ・クリュには基本的に100%。ACブルゴーニュでも1割から2割)、清澄、フィルターはかけずに瓶詰めするため、オリもしっかり見られます。できあがったワインは、造り手であるパトリスを思わせるような、押し付けがましいところが全く感じられないもので、豊かさのなかにもエレガントさが備わっていて、大きな満足感が得られるでしょう。若いうちからでも十分に愉しめるワインですが、熟成後の変身が非常に魅力的です。
ラベルに汚れがありますので写真でご確認ください。またネックのヴィンテージタグに破れがあり「1996」年はかろうじて読めるレベルです。キャップ、液面(コルク下2.2センチ)の状態は良好です。