説明
2013年秋にリリースされた辛口の白ワインです。
パーカーのコメント(95点) 「試飲の最初に出された2011年ザ・モーメントは偉大で、ツルツルとしたワインで、57%ルーサンヌ、19%プティ・マンセン、17%シャルドネ、7%ヴィオニエのブレンドで、コンクリート槽、新樽、古樽、ステンレススチールなどの熟成槽を組み合わせて16ヶ月間熟成された。 マジパン、シトラスオイル、花、マーマレード、スパイスの利いたアプリコットなどの香りがあり、口の中にフルボディのリッチさと奥行きが流れ込んできて、下支えする見事なフレッシュさとクリアさのおかげでバランスが保たれている。ここ2-3年で飲みたくなってしまうが、実際は10-15年以上は間違いなく長熟するポテンシャルがある。」 |
マンフレッド・クランクル氏によると、「2011年はこれまで見たことがないほど、最初から最後までずっと冷涼な年だったが、2008年以降、平年よりも寒い年が続いている。2010年と異なり、2011年は暑い時期どころか、暑い日すらもなかった。4月にわずかに霜が出て、元々低い収量をさらに押し下げてしまったのだが、振り返ってみると、もし果実が大きければこのような年では十分には熟さなかったかもしれないし、逆に小さい果実がワインに優雅さを与えてくれた。」とのことです。
シン・クア・ノン
カリフォルニアのみならず世界でも最上のシラー、グルナッシュ、ローヌ系白、ロゼ、デザートワインを造る伝説的なワイナリーと言えるでしょう。かつてはピノ・ノアールやシャルドネも造っていました(それらは現在では超お宝アイテムとしてオークションに出品されます)。オーナーでワインメーカーのマンフレッド・クランクル氏は鬼才という言葉がぴったりの人で、それほどワイン造りの経験があるわけではないのに、超高品質なワインを生み出しているのです。
クランクルが無名の頃に彼の造ったワインを飲んで驚いたロバート・パーカーは、ワイン・アドヴォケイト誌にシン・クア・ノンが掲載される前にクランクルに電話をし「大変なことになるからな」と告げたそうです。実際掲載日以降、クランクルの電話は鳴りっぱなしだったとか。
クランクルはSine Qua Non以外にもNext of Kyn、The Third Twin、Fingers Crossedといったワイナリーを展開しており、ローヌでは著名な生産者であるClos Saint Jeanの畑でシャトーヌフ・デュ・パプ「Chimere」を造るなど意欲的なワイン造りを進めています。
またグラシアーノ(スペイン原産)、トゥーリガ・ナシオナル(ポルトガル原産)といった世界的にはほどんど見向きもされないマイナー品種に注目し、そこから世界をアッと言わせる最高レベルのワインを生み出していることでも知られます。
ボトルやラベルのデザインを毎年変える事ができなくなった
シン・クア・ノンを有名にしているのが毎年ボトルデザイン、ラベルデザインがガラッと変わってしまうことで、一見しただけではどこのワインか全くわからないことが逆にシン・クア・ノンの特徴となっていました。通常はラベルなどのブランドイメージを何とか確立しようとがんばるものですが、クランクルはそんな常識にはとらわれず、まるでアーティストのように毎年変えていました。しかも他のデザイナーに任せたりはせずクランクル自らが行い、彼にとってはボトルやラベルのデザインはワイン造りと同じくらい重要なテーマでした。
ところが2016年頃から商標や著作権の問題が複雑化し、毎年違う名前をつけるのが困難になってしまいました。あまりに多くの名称がすでに登録済みとなってしまい、万が一にも名称でトラブったら訴訟に巻き込まれて金銭的な負担を負い、せっかく貼ったラベルを全て剥がさなくてはならないという最悪の事態すら想定されました。
そういうわけで2019年からは春リリースのワインはラテン語で「Unlabeled」を意味する「Distenta」と呼び、その後に番号をつけることにしました。また秋にリリースされる「Eleven Confessions Vineyard」のワインには名前を付ける事自体を止めてしまいました。それでもラベルのデザインは毎年変えています。
ラベル、キャップ、液面(コルク下1.0センチ)の状態は良好です。
【楽天価格帯】 ¥27,500~¥44,000(全て売り切れ、2023/7/25)