説明
独自の信念で突き進むRM
ピエール・モンキュイは、1889年設立の家族経営のRM(レコルタン・マニピュラン)です。RMとは小規模ながら自家栽培のブドウで自ら醸造、販売も行うシャンパン生産者のことです。育てたブドウを大手に売り払う生産者が多いのに対して、まるで日本の地方の酒蔵のように自らの信念で個性的なシャンパンを造っていることから、一部のRMは大手メゾン以上に人気が高いのです。
ピエール・モンキュイはシャンパーニュのコート・デ・ブラン地区のグランクリュの村メニル・シュール・オジェ村を本拠としています。シャルドネの聖地とも呼ばれるこの有名な村にあるピエール・モンキュイの畑はかの有名な「サロン」にも隣接しています。そのためこの村のブドウはとても高い価格で取引きされるのですが、ピエール・モンキュイは自分達が栽培したブドウから自分達のシャンパーニュを造るRMとして、鉄の信念でシャンパーニュを造り続けてきました。
モンキュイによるとその信念とは「モノ・アネ=単一ヴィンテージ」「モノ・セパージュ=単一品種」「モノ・クロ=単一区画」の三つ。ノンヴィンテージ表記でも基本的には単一ヴィンテージのブドウで醸造し、品種はロゼ以外は全てシャルドネのみ。メゾンのスタンダード銘柄であるユーグ・ド・クールメとロゼ以外は100%メニル・シュール・オジェ村のシャルドネを使用するということです。またシャンパーニュでは樹齢が25年に達した時点でブドウを引き抜くのが一般的ですが、モンキュイではそのまま古木で保ち、平均樹齢は30年を超えています。
1977年よりニコール(醸造責任)とイヴ(商業関係)の姉弟がメゾンを引き継ぎ、伝統を守り続けています。前述の通りモンキュイのシャンパーニュは全てシングルヴィンテージで生産されますが、中でも醸造責任者のニコールが特に優れていると判断した年のみをミレジメ・シャンパーニュとしています。現在はニコールの娘ヴァレリーも醸造・栽培に加わり2代続けての女性醸造責任者が誕生しています。
ラベル、キャップ、液面とも状態は良好です。