説明
300年近い歴史を持つ名門
ブシャール・ペール・エ・フィスをミッシェル・ブシャールが創業したのは1731年ですが、当初は織物商の会社でした。その後ワイン商に業務を拡大し、1775年にはブドウ畑を購入して自らワインを造る業務も始めました。ちなみに当初、同社が購入したのはヴォルネーのカイユレ畑、タイユピエ畑など現在はいずれもプルミエ・クリュとなっています。
幸運だったのは1789年のフランス革命によって、それまで教会や貴族が所有していた畑が次々と民間に払い下げられたことでした。3代目当主のアントワーヌ・フィリベールは払い下げられたブドウ畑の中で、これはと思う畑に目を付け機会をとらえて購入していったのです。
1820年にはアントワーヌ・フィリベールはボーヌの旧市街にある15世紀の城、シャトー・ド・ボーヌを購入しました。この城はもともとルイ11世、ルイ12世によって築かれたものですが、ワインの熟成にはうってつけの場所だったのです。現在でも地下には広大な熟成庫が広がり、理想的な温度、湿度のもと、数百万本ともいわれるワインが保管されており、その中には19世紀のワインが3,000本も含まれているといいます。
広大な畑を所有し、多くが1級以上の吟醸畑
ブシャール・ペール・エ・フィスはネゴシアンとしても280年の歴史を誇る老舗である一方、自社でコートドールを中心に130haもの畑を所有するブルゴーニュ最大級のドメーヌという顔も持ちます。
所有する畑の面積が広いだけではなく、グランクリュが12ha、プルミエ・クリュを74haと、実に66%が1級以上の畑となっている品質の高さも特筆すべき点でしょう。
シャンベルタンでも別格の品質を誇るクロ・ド・ベーズ
ブルゴーニュの王様と称えられるシャンベルタンですが、その畑のある村がジュヴレ・シャンベルタン村です。シャンベルタンは色合いの濃い芳醇なワインで、力強さと品格を備えたワインは将に「ブルゴーニュの王」と呼ばれるに相応しいワインとされています。そしてこの村において特に偉大なワインとされているのが、シャンベルタンとシャンベルタン・クロ・ド・ベーズです。この偉大な2つの畑のまわりに「シャンベルタン」の名前の付く7つの特級畑があります。
- シャンベルタン(Chambertin)
- シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ(Chambertin Clos de Beze)
- グリオット・シャンベルタン (Griotte-Chambertin)
- シャペル・シャンベルタン (Chapelle-Chambrtin)
- シャルム・シャンベルタン (Charmes-Chambertin)
- ラトリシエール・シャンベルタン(Latricieres-Chambertin)
- マジ・シャンベルタン(Mazis-Chambertin)
- リュショット・シャンベルタン ( Ruchottes-Chambertin)
- マゾワイエール・シャンベルタン(Mazoyeres-Chambertin)
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ(Chambertin Clos de Beze)
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ(15.4ヘクタール)は、シャンベルタン(13.62ヘクタール)とともにジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュの中でも飛びぬけたポテンシャルを誇る特級畑です。シャンベルタンはナポレオンのお気に入りであったことでも知られています。
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの歴史は、630年にブルゴーニュ大公がベーズ修道院に畑を寄贈し、そこに修道院の僧侶がブドウを植えたことから始まります。それは「シャンベルタン」と呼ばれるようになった13世紀よりもはるか昔のこととなりブルゴーニュで最も歴史のあるクリマとなります。
位置はシャンベルタンの北側に接し、標高はシャンベルタンよりもやや高く、その分上部は傾斜がきつくなります。土壌はシャンベルタンと同じく、石灰岩質土壌で砂利や粘土がさまざまな割合で混ざっています。 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズのワインは、シャンベルタンの名前を名乗ることができます。ただその逆で、シャンベルタンが、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの名前を名乗ることはできません。しかしほとんどの「クロ・ド・ベーズ」の所有者は「シャンベルタン」ではなく「シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ」を名乗ります。それだけクロ・ド・ベーズの評価が高いことの裏返しです。
液面はコルク下3.4センチですので写真でご確認ください。ラベル、キャップの状態は良好です。