説明
ブルゴーニュ最高の白ワインの作り手といえばご存じ、コシュ・デュリですが、一部赤ワインも造っています。コシュ・デュリ程の生産者となると、当然といえば当然ですが、白が最高で赤が凡庸という事はありえません。コシュ・デュリの造る赤は、あでやかで香り高く、コストパフォーマンスが高いワインです。パーカーからは「赤ワインにも卓抜な腕のさえを見せる」と賞賛されています。
余談ですが、パーカーの著書によると、フランソワ・コシュ・デュリ氏は意外にもキスラーやマーカッシンなどカリフォルニアのシャルドネを愛飲しているそうです。
ロバート・パーカー著 「厳正評価 世界のワイン」より 「私が驚嘆し、また愉快に思ったことは、最も優れたブルゴーニュの白ワイン生産者の一入であるコシュが、カリフォルニアのシャルドネを”熱愛している”ことである。そこで彼に、最近飲んだワインを挙げてくれと頼むと、即座に答えてくれた。その答えとは、キスラー、マーカッシン、ニュートン・アンフィルタードであり、理由は、「非常に、非常に熟していて、しかも、しっかりした構造を持っている。喜びをもたらすワインだ」からだという。」 |
ドメーヌ・コシュ=デュリ」 (ロバート・パーカー著 「世界の極上ワイン」より) 「50歳のジャン=フランソワ・コシュ=デュリ(デュリは彼の妻の実家の名字である)は、ブルゴーニュの伝説的なつくり手のひとりだ。長身痩躯で眼鏡をかけた彼は、この地域で最も長命で最も複雑な香りの、人の心をつかんで離さない舌触りを持つ白ワインを作っている。彼による最も偉大なふたつの白ワインは、ムルソー=ペリエールとコルトン=シャルルマーニュであり、どちらもほとんどのヴィンテージにおいてブルゴーニュで最上の6本の白に入る。彼はまた、すばらしいムルソー・レ・ルージョ、ムルソー・レ・ナルヴォーや、その他いくつかの村名ムルソーのワインをつくっている。最近では、最高級のピュリニー=モンラッシェ・アンセニエールを生み出した。また、少量の赤ワインも生産している。 コシュの白ワインはとてつもなく熟成し、1980年代初めにつくられたワインは偉大なヴィンテージではない年(1981、1982年)のものでも、21世紀の初めにテイスティングした時点ではまだ若く、見事なつくりの作品であった。コシュは、畑における並外れた柔軟性で知られている。低収量の非の打ちどころのないブドウ栽培が彼の最上のワインを生み出すカギである。 ワインは決してオーク樽を過剰に使うことはなく、しばしばその血筋の良さが頭をもたげてくるのに4~5年の瓶熟を要する。彼はまた、ムルソー、ピュリニー=モンラッシェ、そしてシャサーニュ=モンラッシェの中でも、シャルドネ畑の半分をコルドン・ド・ロイヤ法(最も伝統的な整技法で、30~50cmの低い高さで仕立てる)で植樹している数少ない生産者のひとりである。この方法によって、収量は劇的に低く抑えられるのだ。 私はもう15年以上にもわたって、ほとんど毎年のようにジャン=フランソワ・コシュ=デュリを訪ねているが、彼が微笑むのを見たのは一度しかなく、それはテイスティングを終えて彼が私にさよならを言った時であった。ここは非常に真面目な、そして偉大なつくり手である。 」
ドメーヌ・コシュ=デュリ (★★★★★) ロバート・パーカー著「ブルゴーニュ」より 7haの小さなドメーヌを築きあげ、ごく僅かながらコルトン=シャルルマーニュも含む。彼が偉大なワインをつくれる秘訣は、白ワインに3分の1から2分の1のアリエ産オークの新樽を用い、2度の澱引きを経て18~22ヵ月樽熟させ、(ラベルに誇らしげに明記するとおり)全く濾過しないことである。1980年代の秀作年における成功ぶりには肝をつぶしてしまう。1981、82、83、85、86、88年と桁外れなワインを生んだ。好みを選ベといわれても容易ではない。 彼のACムルソーはたいがいの生産者の1級ものに相当し、ムルソー・レ・ペリエール(250ケース以下)は、多くのモンラシェを上回るからだ。コルトン=シャルルマーニュはまことに稀少だが(たいてい100ケース以下)、白のブルゴーニュの至純を示す壮麗なもの。私の意見ではコシュ=デュリは、ブルゴーニュの白のつくり手の三傑にはいる。他の2人とは、アンドレ・ ラモネとコント・ラフォンである。その白ワインは熱狂的注目の的だが、彼は赤ワインにも卓抜な腕のさえをみせる。有名な畑は何ひとつないが、オーセイ=デュレスとヴォルネは、しばしば多くの1級ものをたじろがせる出来栄え。彼のワインは若く飲んでも素晴らしいが、10年は瓶熟する力がある。」 |
ラベル、キャップ、液面(コルク下0.3センチ)の状態は良好です。