Ulysse Collin Blanc de Noir Extra Brut Les Maillons N.V.(2010)

ユリス・コラン N.V.(2010)ブラン・ド・ノアール・エクストラ・ブリュット・レ・マイヨン

軽やかなのに、複雑玄妙な味わい!さすがセロスの弟子!

ジャック・セロスの弟子の一人。セロス同様、ブラン・ド・ブランをメインに造っていますが、ごく少量造られるブラン・ド・ノアールが素晴らしい。

ミレジメ(いわゆる「ヴィンテッジ・シャンパーニュ」)を名乗ってはいませんが、実際には単独年産(モノ・アネ)のブドウだけで出来ているシャンパーニュです。

品種はピノ・ノアール100%で、コート・デュ・セザンヌにあるバルボンヌ・ファイエル村のMaillons(マイヨン)という区画(2004年からこの区画を耕作している)からのブドウで造られています。ロット番号がL10となっていますので、2010年ヴィンテージと思われます。デゴルジュマンは2014年3月です。

 

ユリス・コラン
コラン家は、コンジィ村で約200年前からブドウを栽培しています。曽祖父のジョルジュ・コランが1930年にシャンパーニュの販売を始め、それを受け継いだ祖父のルネ・コランが、その後50年間ビジネスを拡大しました。 
転機は2004年に当主のオリヴィエ・コランがジャック・セロスの元で修行後、このドメーヌ「ユリス・コラン」を創設したこと。この2004年にファーストヴィンテージとして5400本を送り出しました。

オリヴィエは語ります。「アンセルム・セロスのもとで学んだ経験から啓発を受け、2004年から畑の栽培方法を根本的に変えることにしました。テロワールを表現するワインを造るために、除草剤をやめ、耕作方法を変えました。土壌が生きていなければ、ワインの中にミネラルの味わいが生まれません。個性ある味わいのワインを表現するために、畑に傾注した作業の延長線上に立って、発酵は野生酵母だけを用い、小樽で熟成させ、清澄・濾過をせずにビン詰めします。土壌に含まれる塩味の風味を表現するために、ドザージュは僅か、ないしゼロです。」

 

「恐るべき子供再び 脅威のブラン・ド・ノワール」 読売新聞 「ワイン漬けDiary」より (2010年12月6日)(すでに記事はサイトから削除されています)

「ジャック・セロスのアンセルム・セロスには、何人かの弟子がいる。弟子といっても、もたれあうウェットな師弟関係ではない。

 セロス自身が変幻自在。進化を続けている。自らの手法を押しつけるタイプでもない。優れた弟子は技を盗むのではなく、セロスの哲学からエッセンスを抽出し、自分の型を築く。自問自答を続けるセロスに学んだなら、セロスを表面的に模倣しても無意味なことは理解しているだろう。

 直系の弟子としては、ジェローム・プレヴォー、ヴェット・エ・ソルヴェ、ラルマンディエ・ベルニエ、ユリス・コランなどの生産者がいる。私が最も気になるのはユリス・コランのオリヴィエ・コランである。比較的、広い畑を持っている。大手メゾンに貸していたものが戻ってくれば、可能性が広がる。伸びしろがある。

 シャンパーニュ好きを驚かそうと、今年最も衝撃を受けたコランのブラン・ド・ノワールを開けた。本当はあと1年くらいおきたかったが、パリで購入したものも含めて3本の在庫がある。まだまだ余裕である。

 8月に開けた時より進化していた。酸の角がとれて、赤いベリー系の香りが開き、全体のバランスがまとまってきた。一緒に飲んだのは、レベルの高いシャンパーニュ・マニアだったが、さすがに驚いていた。色合いはまさに山ウズラの目。セニエで醸したロゼのようだ。しなやかなタンニンを感じる。これはもうシャンパーニュではなく、ワインである。

 セロスがシャルドネから造るブラン・ド・ブランは、米国で「スパークリング・コルトン・シャルルマーニュ」と呼ばれた。その言葉を借りれば、ピノ・ノワールのみで醸すこのブラン・ド・ノワールは「スパークリング・シャンボル・ミュジニィ」とでも呼びたくなる。ピノの優美さがきれいに表現されている。セロスのラ・コート・ファロンほど自由に羽ばたく感じはないが、洗練された美学が宿っている。

 このワインがすごいのはブドウの力による。収穫時の潜在アルコール度は、12度を超していたそうだ。一般的なシャンパーニュのブドウは、せいぜい10~11度で収穫される。補糖して、瓶内二次発酵を経て、12・5%のアルコール度が普通である。このブラン・ド・ノワールは13・5%以上のアルコール度を誇る。ボディの豊かさとそれを支える酸、エキス、タンニンがたっぷりとある。

 高い密植度、低い収量、リュット・レゾネなど、様々な要因があるのだろうが、ブドウの力からして違う。若き造り手はセニエのロゼにも挑戦しているそうだ。プレヴォーもロゼを少量生産している。こちらはパリで入手した。両方のロゼを比較したかったが、かなわぬ夢となった。当分は、コランを飲みつなぐとしよう。

 セロスは1990年代に世界で注目されたとき、「アンファン・テリブル」(恐るべき子供たち)と呼ばれた。既成の価値観を打破したことから、コクトーの小説にちなむ呼び名をつけられたのだ。そのセロスが今や、メンターとなって、新たな子供たちが生まれている。時代は繰り返す。

 1年に1度は飲みたい度 94点

 シャンパーニュ ユリス・コラン ブラン・ド・ノワール NV」

 

ラベル、キャップ、液面とも状態は良好です。

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