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「レア&カルトなワインの物語----ワインは人が作る」


第20回 「姿を消すアンリ・ジャイエ」

ご無沙汰をしておりました。今回は米国市場からも徐々に姿を消しつつあるアン
リ・ジャイエの話です。

ブルゴーニュの神様と呼ばれ、伝説的なワインの作り手であるアンリ・ジャイエ。
ご存じの通り、ビジネスとしてのワイン作りからはすでに引退し、現在では年金
代わりにわずかな数量だけを作っています。

日本に比べるとワインの流通量が圧倒的に多いアメリカです。どこの国の作り手
でもワインを輸出しようと思えば、最初に考えるのがいかにしてアメリカで販売
するかということ。アメリカではワインが食生活に密着しており、市場規模も圧
倒的に大きいのですから当然です。

愛好家の数が多いだけに、古いビンテージのワインも市場にどんどん出てきます。
投資でワインを買っている人のみならず、一般の愛好家もいい値段で売れるのな
ら売ってしまおうという、アメリカらしいビジネス感覚もあって、日本ではまず
お目にかかれないようなレアなワインも市場に出てきます。さらにお金に糸目を
つけないものすごいコレクターも多数います。そういうコレクターのワインすら
も市場に出てくるところがビジネスの国アメリカらしいところです。昨今はイン
ターネット・オークションの普及もあって、ワインの流通、特にセカンダリー・
マーケット(二次市場)は活況を呈しています。

そんな中で、宝石のようなアンリ・ジャイエのワインですが、ほんの2,3年前
までは村名ワインなら、200ドル以下でまだ探すことができました。あの特級の
リッシュブールでさえも1000ドル以下で売られることもありました。

しかし最近はアンリ・ジャイエの全てのワインが市場でも見かけることが少なく
なってきました。並のビンテージの村名クラスでも400ドル以下ではもう見つか
ることはなくなってきました。リッシュブールなら、今では2000ドル近くはする
でしょう。

アメリカはここ数年、経済が活況を呈し、ITバブル、土地長者と日本のバブル時
代を思わせるほどの好景気が続いています。カリフォルニアなどは住宅ローンの
金利が下がったこともあり、ここ数年で家の値段が軒並み2〜3倍になってしま
いました。

アメリカの面白いところは、家の値段が値上がりすると、値上がりした分だけ銀
行がお金を貸してくれることです。たとえば毎月1500ドル返済していた人が、金
利が下がったおかげで、返済が1000ドルで済むとします。日本なら差額の500ド
ルを貯蓄に回すかもしれませんね。しかしアメリカ人は、1500ドルの返済額は変
えずに、その分、銀行から追加で借りれるだけ借りてしまうのです。借りたお金
の使用目的は特に問われません。株を買ったり、車を買ったり、単に消費したり、
人それぞれ。いずれにせよ不動産の値上がりのおかげで、いきなりキャッシュを
握った人が山ほどいるのです。

想像するに、そういうお金がワイン市場にも流れ込んできています。投資で購入
する人もいれば、今まで手が出なかったワインを購入する愛好家もいるでしょう。
アンリ・ジャイエのワインなどは格好のターゲットになってしまった感がありま
す。

すでに高齢のアンリ・ジャイエ氏。不謹慎ではありますが、もし彼が亡くなられ
たら、新しいワインは全く市場に入ってこなくなります。そうなれば今400ドル
するワインが600ドル、1000ドルという値段が付いてしまう可能性が大です。そ
ういうマーケットを見るに敏なアメリカ人ですから、せっせと買い集めている人
がいるんでしょうね。景気がいいのも良し悪しですね。

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