メールマガジン

「レア&カルトなワインの物語----ワインは人が作る」


第15回 「Williams Selyem(前編) 〜テロワールの父」

ウイリアムス・セリエムはソノマのロシアンリバーバレーでロキオリ、デリンジ
ャー、キスラー等と並び賞される超老舗中の老舗のピノ・ノアール生産者。ワイ
ンメーカーだったバート・ウイリアムスは世界中のワインメーカーから尊敬される
存在。ただ一目彼に会うために世界中のワインメーカーがウイリアムス・セリエ
ムを訪れたという。

ウイリアムス・セリエムのはじまりは1979年、ロシアンリバーバレーのガレ
ージの中。印刷会社で働いていたバート・ウイリアムスと、ワイン屋で会計とバ
イヤーをしていたエド・セリエムはロシアンリバーバレーで近所同士。ワインが
好きだった二人は本職のかたわらガレージでジンファンデルを造りはじめる。バ
ートがワインメーキングを、エドが経営を担当した。

ロシアンリバーバレーという場所柄、葡萄栽培農家とも親交が深かった二人はマ
ルティネリ・ジャッカスヒルのジンファンデルやロキオリのオールドバイン・ピ
ノ・ノアールの葡萄を入手することに成功。現在では超カルトなこれらの畑の葡
萄を長期契約することが出来た。

1970〜80年代初頭、カリフォルニアではピノ・ノアールはまだまだマイナー
な品種。造られるワインといえば獣臭くタンニンがきついものばかり。ちらほら
美味しいピノも出始めていたが、まだほんの少数だった。そんなカリフォルニア
のピノ・ノアール市場を劇的に変えたのがウイリアムス・セリエムのピノ・ノアー
ルだった。

1987年カリフォルニア州フェアにて年間ベストワイナリーに輝いたウイリア
ムス・セリエムのピノ・ノアールはカリフォルニアのあらゆるワインメーカーをも
魅了するものだった。複雑、素晴しい香り、シルクのような舌触り、それは今ま
であったピノ・ノアールとは全く違うもの。ウイリアムス・セリエムの評判はまた
たく間に口コミで広がり、メーリングリストはあっという間にいっぱいになって
しまったという。

また、当時まだワインをシングルビンヤードとしてボトリングするのは一般的で
無く、ワイン批評家の間でも「カリフォルニアにテロワールは存在しない」とい
うのが一般的な定説だった。これにバートは真っ向から対抗。積極的に単一畑シ
リーズをボトリング。ロキオリ畑とアレン畑は道一本しか隔てておらず、さらに
同じクローン、同じ管理人によって栽培されているにも関わらず、全く違うワイ
ンを作り出すことによってこの定説をくつがえしたのだった。

彼のこだわりはロシアンリバーバレーにとどまらず、より極限の環境を求めソノ
マコーストの開発をスタート。海からの非常に寒冷な霧がたちこめるこの地域は
ロシアンリバーバレーよりも1ヵ月遅れて葡萄が熟す。ハーシ畑やサマ畑に代表
されるソノマコーストのワインはロシアンリバーバレーのものより、さらに巨大
で濃いワインが出来るという。

バートはワインの専門教育を受けたことも、ブルゴーニュに行ったこともない。
しかし彼は最高の葡萄畑を探し当てる直感を持っていた。葡萄とワインのことを
誰よりも理解していたという。そんな彼が選びに選び抜いた葡萄から出来るワイ
ンはシルクのようなすべらかな舌ざわりとかぐわしいトーストされたオークの香
りが特徴。リリース時にはもちろん美味しいが、3ー6年たつとより深く、美し
く磨きがかかるという。

カリフォルニアのテロワールの父、ピノノールのカリスマとして活躍して20
年、バートは1998年にワイナリーをニューヨークの実業家ジョン・ダイソン
へ売却。ウイリアムス・セリエムの新しい歴史がスタートした

----------------------------------------------------------
申し込みとバックナンバーはこちらから 
http://www.littlewine.com/

----------------------
●世界のレア&プレミアムワインをお買い得価格でご提供!●
「ちいさなワイン屋さん」 http://www.littlewine.com

ちいさなワイン屋さん ウェブマスター
<webmaster@littlewine.com>

Tentando Superabis, Inc.

次へ