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「レア&カルトなワインの物語----ワインは人が作る」


第4回 「HdV、ロマネ・コンティのカリフォルニア進出?」

「HdV?奇妙な名前のワインだなあ?」最初にこのワインを見たときの印象でした。それは妙にガッシリとした重量感のあるボトルに入ったシャルドネでした。

このHdVこそがロマネ・コンティ(DRC)の共同経営者として知られるde Villaine家がカリフォルニアで作り始めたワインだったのです。ロマネ・コンティといえば知らない人はいないワイン界の超スーパースター。その経営者がなぜカリフォルニアでワインを?その理由は、当主のAubert de Villaine氏の奥さんがカリフォルニアでブドウ栽培農家として知られるHyde家の当主Larry Hyde氏のいとこだったからです。こうしてみるとワインの世界も狭い・・・

HdVはこのde Villaine家とHyde家のジョイントベンチャーなのです。Hyde家はナパバレーの南西、カーネロスに広大なブドウ畑を所有する有名なブドウ栽培農家です。もともとは1800年代前半から続くサンタバーバラの名家だそうです。現在約130エーカーの彼の畑のブドウはKistler、Patz&Hall、Ramey、Etudeなどそうそうたるワイナリーで使われています。彼らもHyde家のブドウに敬意を払い、たとえば"Kistler Chardonnay Hyde Vineyard"とか"Patz & Hall Cardonnay Carneros Hyde Vineyard"という風にワイン名にHyde Vineyardの文字を冠しています。

そんな縁で長年de Villaine氏はHyde氏にブドウを栽培するだけでなく、ワインも作るよう働きかけていたのですが、Hyde氏はブドウ作りこそ十分にエキサイティングな仕事だと思っており、ワイン作りには気が進まなかったようです。

そんなHyde氏にやっと首を縦に振らせて、彼らがナパバレーでワインを作るためのジョイントベンチャーを立ち上げたのが2年前。Hyde氏が彼の畑から最良のブドウを提供し、de Villaine氏がワイン醸造を担当することになりました。ブルゴーニュ流のやり方をワイン作りに反映させようというde Villaine氏の強い希望で、ブルゴーニュのデジョン大学で醸造学を修めた新進気鋭のJean-Laurent Vacheron氏がワインメーカーに起用されました。それにしてもシャルドネはともかく、ボルドースタイル(後述)の赤ワインまで作ってしまおうというのですから氏のチャレンジ精神は見上げたものです。

そして2002年秋、二つのワインのファーストビンテージがリリースされました。生産量は白が1500ケース、赤が700ケースです。

---HdV Chardonnay Carneros 2000エレガントさと力強さの両方を持ったワインです。構成がしっかりしており、レモンやハチミツのニュアンスが感じられました。

---HdV Carneros a Napa Valley Red Wine 2000メルローベースにカベルネ・ソービニヨンをブレンドしています。これはブルゴーニュではなくボルドーのスタイルですね。スパイシーでバランスの取れた味わい。これからどのように熟成していくかが楽しみ。

シャルドネに関してはWine Spectator誌がいきなり93点の評点をつけました。これは同じ1999年のHyde Vineyard のシャルドネを使ったKistlerやRamey、Paul Hobbsなどと同点の評価になっています。それだけブドウの潜在能力が高く、品質が安定している証拠でしょう。Hyde氏の努力には頭が下がります。

もちろんこれらのワインとDRCを比較するべきではありませんが、素晴らしいワインを作りたいという彼らの情熱が伝わってきます。

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