メルマガ番外編 (2007年1月)
   
管理人が選ぶ2006年ベストワイン!

2006年も様々なワインを飲みました。テースティングで、飲み会で、自宅で・・・
その中から管理人が個人的に素晴らしいと思ったワインベスト10を発表します。
あくまで個人の印象に残った順です。

       
  第1位 Wine of the Year 2006
Emmanuel Rouget Vosne-Romanee Cros Parantoux 1999(ブルゴーニュ赤)
 

管理人が2006年に飲んだワインの中で最高のワイン、そして過去飲んだワインの中でもベスト3に入るであろう素晴らしいワインでした。クリスマスに空けた一本。

ブルゴーニュの1級。しかしもし今、格付けが見直されれば、間違いなく特級に昇格するであろうと言われるほどのワイン。ほとんどの特級畑を現在でも凌駕しています。

ワインマンガ「神の雫」でも登場したのですが、マンガでは、ビジネスの鬼と呼ばれる冷酷な男が、このワインを飲んで、過去の女性との邂逅を思い出し、涙するワインとして取り上げられています。

しかもこのワインは今は亡きブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエ氏が、1999年当時体調を崩していたおいのエマニュエル・ルジェに代わってワインを作ったという噂があり、このワインをいっそう神秘的なものにしています。

軽くディキャンティングしてもらったあと、グラスに注いだ瞬間に、辺り一面に素晴らしい香りが広がり、いきなり度肝を抜かれました。これほどの香りの発散はDRCの1977年エシェゾーを飲んで以来かな。

最初はやや酸味が強いかと思われましたが、30分、1時間と時を経るにつれて開いてくると、酸味は和らぎ、何とも言えない複雑な味わいが口のなかでユラユラといつまでもたゆとっています。最近は果実味がグワーッとくるパワフルなピノ・ノアールが流行ですが、このワインはそういったパワフルなピノとは一線を画しながら、ピノ・ノアールの奥の深さ、素晴らしさを教えてくれています。

マンガの中では、「飲み込んだ瞬間、ドキッとするぐらい印象が変わるんだ。まるで後ろ姿の乙女が振り返ったように。しかもその余韻を抱きしめると乙女は様々な表情を見せる。初めての口づけのようなはにかみ、そして最後にめくるめくような官能が永遠と思うほどに続く-----」と表現されているが、まさしく初めての口づけを思い出させるほどに甘酸っぱく、甘美な時間が過ぎていきました。

まさにロマンチックすぎるワインであり、一生忘れられないほどの追憶と官能の時を過ごすことになりました。

   
  第2位  
Aubert Chardonnay Richie Vineyard 2004  (カリフォルニア白)
 

カリフォルニアでは新鋭のワイナリーですが、シャルドネでは間違いなくトップ5に入る作り手です。パーカーやスペクテーターが96点以上の点数をつけることもあり、価格は高騰しています。管理人もこのワインを飲むのは初めてだったので、いったいどんなワインなのか楽しみにしていました。知人との会食のためにサンディエゴのお寿司屋さんに持ち込ませてもらいました。

「Aubert」の読み方はフランス語で読むなら「オベール」と読むらしいのですが、アメリカではオベールと発音している人はあまりいないと思うので、英語風に「アウバート」と読ませてもらいます。

さて肝心のこのワインですが、これはシャルドネを飲みつけない人は評価に困るのではないでしょうか?管理人もこんなシャルドネは初めて飲みました。

まず、色にビックリ。色がちょっと白っぽく濁っているのです。ドブロク?とまではいきませんが、見るからにノン・フィルターって感じなのです。それで意表をつかれましたが、味の方も普通のシャルドネとはひと味もふた味も違います。レモネードのような酸味を感じる口当たりで、それでもブドウのフルーツを重層的に感じるのです。できの悪いシャルドネにつきものの、えぐみのようなものは全く感じられません。実に個性的なシャルドネです。おそらくこのシャルドネにはまってしまう人も多いかもしれません。

美味しいか不味いかと聞かれれば、文句なく美味い。しかも同伴者は「危険なワイン」(飲み過ぎてしまう)と表現しました。ただ通常のシャルドネの延長線上にはないタイプなので、とまどってしまう人も多いのではないでしょうか。

       
  第3位  
Gaja Barolo Sperss 1998 (イタリア赤)
 

イタリアはピエモンテ州(州都はトリノ)近郊のバローロ地区で作られるワインがバローロ。バローロはワインの王と呼ばれます。そしてガイアこそがバローロの帝王であり、王の中の王のワインだと言えるでしょう。

ガイアに安いワインはありません。最低でも100ドルくらいはします(別ブランドで多少は安めのものを作っていますが)。良い年の良い畑のガイアのワインともなると、発売価格が何百ドルもするのです。この1998年のスペルスと名付けられたワインも日本なら2万円くらいはするでしょう。「スペルス」とはピエモンテの言葉で「ノスタルジー」という意味らしいです。

管理人もガイアのワインは初体験(白は飲んだことがあります)。王の中の王のワインだから、さぞかしパワフルで、迫力のあるワインであろうと思っていました。実際バローロは力強さとコクの強さが特徴です。

しかし、あにはからんや、このスペルスはむしろ、穏やかで継ぎ目のない、まるーいワインでした。王というよりは女王って感じです。それでも気品と風格を漂わせる、ただ者ではないワインでした。目をむくほどスゴイってわけじゃないですが、思わず飲んでいる者同士が優しい目を向けあって「おいしいねー」とささやきたくなる女っぽいワイン。

まるで、そんな優しく癒してくれそうな女性がお酌したあとに、さーっと風のように去っていったかのような気分になりましたね。管理人はその名の通りノスタルジーにひたってしまいましたよ。

 



(サイトで販売中)

       
  第4位  
Anderson's Conn Valley Cabernet Sauvignon Reserve 2002 (カリフォルニア赤)
 

カリフォルニアのカベルネ・ソービニヨンは高いです。もちろん安いのはいくらでもありますが、品質が伴ってなお安いカベルネを探すのはかなり難しいです。これがオーストラリアとかだと安くて美味いワインはいくらでもあるのですが。

カリフォルニアは土地ブームで畑の値段も上がりましたし、ブドウをつみ取る収穫人の賃金(法律で決められた最低賃金)も上昇の一途。しかもカリフォルニアというところは保険だとか弁護士費用だとかビジネスをやっていく上での付帯経費がやたらとかかる土地です。そういうもろもろの経費がワインの価格を押し上げているのです。

ちなみにアメリカで「カベルネ・ソービニヨン」と言ってもまず通用しません。「カーバネイ」(ネにアクセントがある)と発音します。「シャルドネ」もダメです。これは「シャドネー」(同じくネにアクセントがあります)。「ピノ・ノアール」「メルロー」は何とか通じるでしょう。

さて、このワインは美味しくて(パーカーが95点以上をつけて)、比較的安いカベルネはないかと探して回って見つけた一本です(パーカーは95点)。スタイルはミディアムボディで、エレガント、折り目正しいワインという印象をうけました。テクスチャーもシルキーで、舌触りも良いです。オーパスワンを彷彿とさせるワインですが、価格はオーパスの半値以下です。それにきっとオーパスよりも美味しいですよ。

       
  第5位  
Miani Calvari 1997 (イタリア赤)
  『ミアーニのない人生なんて…』とワイナートで言わしめた、誰もが一度は飲んでみたいイタリアの至宝です。1本の樹に2〜4房しかブドウを実らせないという商売を度外視した極端な収量制限。アメリカでもほとんど目にすることがなく、もっとも入手が難しいイタリアワインと言ってもいいでしょう。しかも1997年というビンテージはイタリアでも90年代最高と言われるほどの傑出した年です。ワイナートでも98点がついています。カルヴァリというワインは地場品種のレフォスコというブドウからわずか500本ほどが作られるだけのミアーニのフラッグシップです。

クリスマスに空けました。グラスに注ぐと、色は濃くてグラスの向こう側は全く見通せません。口に含むと、とにかくものすごく凝縮しており、チョコレートのアロマが感じられました。細やかで緻密、滑らかで優しいワインです。

しかし、正直にいうと、同時に飲んだルジェのクロパラントゥがあまりに輝きすぎて、印象が薄くなってしまいました。単独で飲んだなら2006年の1位になっても不思議ではなかったかもしれません。ワインというのはシチュエーションが大事だということを再認識しました。

       
  第6位  
Chateau Margaux 2002 (ボルドー赤)
 

感謝祭に友人を招いたホームパーティで空けた一本です。これまで空けたマルゴーのビンテージとしては4つ目くらいでしょうか。

柔らかなテクスチャーと端正な構造、さすがボルドーの女王ですね。 でもさすがに若過ぎちゃいましたか。まだ熟成過程でしょう。それでも友人たちはその日空けたワインの中でダントツに美味しかったと評判は最高でしたけどね。 もっともっと寝かせてから味わいたいマルゴーです。



(サイトで販売中)

       
  第7位  
Kalleske Shiraz Greenock 2002 (オーストラリア赤)
 

オーストラリアでも新参者ですが、パーカーがべた褒めして以来、さっぱり入手が難しくなってしまいました(パーカー96点)

オーストラリアのワインと言えばやっぱりシラーズでしょう。もともとは南フランスあたりの品種でオーストラリアに持ち込まれて独自の発展を遂げています。シラーズは他品種とブレンドされることも多い品種ですが、オーストラリアでは単独で使われることが多いようです。非常にパワフルで、スパイシーなワインとなり、オーストラリアの有名なワインはほとんどがシラーズからできています。

それで開けてみたのですが、ものすごい濃厚なインクのような紫色をしており、その色を見た瞬間に「こいつは気が抜けないな」と身構えてしまうほど。

そして一口目の印象は「甘い!」。 といっても甘口ワインではないですから、糖分の甘みではありません。いわゆるグリセリンの甘みです。それで濃厚。フルーツが口の中ではじけそう。しかしそれだけのパワーがありながら、決して押しつけがましいワインではありません。さすがパーカーが絶賛するだけのことはありますね。マジで美味いっす。

       
  第8位  
Tollot Beaut Beaune Clos Du Roi 1990 (ブルゴーニュ赤)
 

ブルゴーニュの偉大なるビンテージ1990年のワインを初めて飲みました。飲みたいのはやまやまでしたが、なにせ値段が高い。ただでさえブルゴーニュのワインは値段が高めなのに、1990年はグレートビンテージだと誰もが知っているから余計に高いんですね。ルロワとかDRCの特級畑の1990年だと500ドルは下りませんからね。

さてこのトロ・ボーというドメーヌは家族や親戚の5名によって運営されている自然派志向のドメーヌです。有名なのはコルトンというコート・ド・ボーヌ地方の特級畑のワインですが、このクロ・デュ・ロワは1級畑で、ボーヌ地方でもっとも濃密で肉感的なワインを生むことで知られています。

キャップシールをはがすと、コルクにはうっすらとカビが生えており、15年の月日を思わせます。色はくすんだエンジ色で、熟成の雰囲気がプンプンに漂います。しかし全く衰えてはおらず、獣肉やチェリーを思わせるブーケが口の中を包み込みました。若いワインにありがちな角はとれ、全体的に丸くなっており、若いワインしか飲んだことがないと「これって本当にワイン?」って思うかもしれません。それでいて全く濃密、肉感的で、着こなしたスーツの下に色香を隠し持つ30代の美女を思わせました。

バーベキューに持ち込んだのですが、ジューシーな牛肉にとてもよくあいました。こんなバーベキューだったら何回でもやりたいと思うほど幸福な時間の手助けをしてもらいました。



(サイトで販売中)

       
  第9位  
Deutz Cuvee William Deuts Rose 1996 (シャンパーニュ泡)
 

これもクリスマスに空けた一本です。

歌手のマドンナがこのメゾンの大ファンとして知られています。有名人が好きなシャンパンとしては田中康夫やマライア・キャリーがファンとして知られている「クリスタル」が有名ですが、このドゥーツが好きというマドンナはかなりいい趣味をしていますね。もっともマドンナが愛飲しているのはドゥーツの中でも「アムール・ド・ドゥーツ」というちょっと上級のキュヴェです。

しかしいくつかあるドゥーツのキュヴェの中でも、最上級なのが創立者の名前をとったこの「キュヴェ・ウィリアム・ドゥーツ・ロゼ」です。75%のピノ・ノワールと25%のシャルドネで数百ケースだけ造られる貴重品です

パーカーは98点を献上した絶品のロゼです。泡は非常に細かく、デリケート。味わいはエレガンスとしか言いようがなく、管理人が苦手なスパークリングのむせるような荒々しさは全くありません。クリスマスの演出としてはこれ以上はない最高のロゼでしょう。

       
  第10位  
Two Hands Shiraz Lily's Garden 2002 (オーストラリア赤)
 

南オーストラリア州アデレード近郊はオーストラリアきってのワイン産地。

トゥーハンズは、ヴェリタス・ワイナリーのワインメーカーであるロスフ・バインダー氏とワイン商として働いていたマイケル・トゥウェルフトゥリー氏が共同で設立した新しいワイナリーです。バインダー氏は若くして数々の賞を受賞している注目のワインメーカーです。

このシラーズ・リリース・ガーデン2002年はシラーズらしい深い紫色をしており、深みのある味わい、濃厚な果実味が際だっていました。

「なかなかうめーなー」と気楽に飲んでいたのですが、あとで調べたらパーカー96点で「スペクテキュラーなワイン」とべた褒めされていました。もう少し味わって飲めばよかったですね。